4.技術戦略マネジメント

1.技術開発戦略の立案

プロダクトイノベーションには、研究費や開発費に膨大な投資が必要になる為、M&Aによって企業規模を大きくしたり、研究を外部と共同で行ったりすることがあります。うろダクトイノベーションを起こすアプローチには、独創的で高い技術をもとに新しいプロダクトを開発する技術主導型、顧客ニーズを分析して顧客に受け入れられることを狙うニーズ主導型などがあります。

プロダクトイノベーション

革新的なプロダクトを開発して他社に対してプロダクトで差別化を図る。イノベーションの対象となるプロダクトは、市場に流通する商品の場合もあるが、スマホの液晶画面の様な部品の場合もある。

プロセスイノベーション

プロダクトやサービスの開発プロセス(製造工程や作業工程など)の変革や画期的な効率化によって原価低減や品質向上を図り競争力を高める。

技術のSカーブ

科学技術や産業技術の発展の度合いは、当初緩やかで、そのあと急激になり、やがて限界が近づくと緩やかになります。科学技術や産業技術の発展度合いを縦軸に、発展のために要した時間の累積値や投下した資源の累積値を横軸に取ってグラフを書くと、初期と末期の傾きが緩やかで、中間期の傾きが急なS字型になることから、技術のSカーブと呼ばれています。技術の世代が変わっても、技術の発展は同様の傾向を示すため、長期的に見ると技術のSカーブの連鎖が描かれます。

死の谷

基礎研究で得られた成果をもとに製品化するためには、生産ラインを確保したり、流通経路を開拓したりするなど、基礎研究と比較して多額の資金が必要になります。必要な資金を提供してもらう予定だったスポンサーが得られなかったり、製品化の途中で資金が不足したりすると、基礎研究の成果を活用できず製品化を断念してしまう事にもなりかねません。基礎研究と製品化の間には深い谷がある事にたとえ、製品化を断念してしまう問題を死の谷と表現します。

TRIZ

TRIZは旧ソビエト連邦の特許審査官genrikh saulovich altshullerによって考え出された発明的な問題解決技法です。TRIZでは200万件以上の特許や発明事例をもとに、問題を解決できるアイディアや発想の手がかりを抽象的な形で抽出し、体系的に整理していきます。問題を構成する要素間の矛盾を解消したり、問題解決のための理想的な目標を達成したりすることを目的に、アイディアや発想の手がかりを活用して弁証法的に問題を解決します。

コンカレントエンジニアリング

コンカレントエンジニアリングは、製品の開発に必要となる複数の工程を並行して進め、各工程を担当する部門間の情報交換や作業調整などによって、開発期間の短縮やコストの削減を図る手法です。
コンカレントエンジニアリングでは、前工程の完了を待たずに後工程を開始したり、後工程から前工程にノウハウをフィードバックしたりします。コンカレントエンジニアリングを進めるためには、部門横断的なコントロールが出来るように、全体を統括するプロダクトマネージャがひつようになります。
関連する部門が地理的に分散していて、部門間の情報交換や作業調整に手間取る場合は、コンカレントエンジニアリングが効果的に機能しないこともあります。

プロダクトライン開発

プロダクトライン開発はソフトウェア製品を効率的に生産するための開発アプローチです。
プロダクトらいんかいはつでは、プロダクトで共通に利用するコア資産を作成し、コア資産を再利用しながら個々のプロダクトを清算します。コア資産の整備にあたっては、共通に利用する範囲を事前に定義しておくこと、汎用性を考慮しておくこと、市場や顧客のニーズの変化に応じて柔軟に変更できることなどが重要になります。コア資産を作成するプロセスをドメインエンジニアリング、個々のプロダクトを生産するプロセスをアプリケーションエンジニアリングといいます。

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