ITEC通信講座 問1 大規模データの利活用による顧客満足度の向上について

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設問ア あなたが携わった大規模データの利活用の概要と、その結果得られた顧客満足度の向上の概略について800字以内で述べよ。

1.大規模データの利活用の概要と得られた顧客満足度の向上
1.1_大規模データの利活用の概要
_A 社は複写機を製造・販売しているグローバルメーカである。複数の国に販売会社を持ち
業界におけるシェア率は20%で、業界第3位であるが、昨今顧客が同業他社の製品に買い
換えるケースが多くなっており大きな経営課題となっている。
_A社の事業戦略本部に所属するITストラテジストの私は、本課題の解決の為プロジェクト
を立ち上げ責任者となった。流出顧客にヒアリングした結果を分析した所、多くの顧客がトナ
ーの交換が間に合わず印刷できない期間が多い事を不満にあげていた事が分かった。特にA社
の販売会社拠点から遠方に所在地がある顧客にこの不満が多く、遠方の顧客の50%の割合で
同じ不満を持たれている事が分かった。
私は複写機にトナーの使用状況をインターネット経由でA社に定期的に収集させ分析する事
で、顧客に応じた適切な時期でのトナー交換を提供出来る様、対策を打つ事にした。
1.2_得られた顧客満足度の向上
_対策を行なった後、これまで最も多かったトナーの交換が間に合わない事象は軽減され、同業
他社への買い替えの件数が削減された。このサービスが全顧客に展開が完了した後に行ったアン
ケートによると、遠方の顧客で同様の不満を持たれている件数は0件となり、サービスに満足し
ていると回答頂けた顧客が全体で3割増加した。

設問イ 設問アで述べた大規模データの利活用において、あなたは顧客満足度の向上の為に、どのような大規模データを収集・蓄積し、どのように分析・利活用しようと考えたか。工夫した点とともに、800字以上1600字以内で具体的に述べよ。

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2.顧客満足度の向上の向上の為のデータ収集・分析・工夫点について 2.1_収集・蓄積した大規模データ _まず最初に、私は全世界で2000社ある顧客のうち、優先的に対応すべき顧客を抽出
した。遠方顧客の中で売上高が高く取引期間が長い50社を最優先対応顧客としてリスト
アップした。顧客はアジアに20社、アメリカに20社、ヨーロッパに10社存在した。
データは顧客に設置した複写機から毎日バッチ処理で販売会社を経由し本社に転送され、
本社のサーバで一元管理する事にした。分析する情報は日々のトナーの使用量、残量である。
_データを収集する為には、既に設置されている複写機に
データ送信ユニットを追加でインストールする必要があり、設置コストが掛かるが、顧客
流出を食い止める効果的な施策である事を経営層に説明し承認を得た。
2.2_大規模データの分析・利活用
_分析を行うプロジェクトチームは日本本社に組織した。
たが、私は国や地域の特性も考慮する必要があると考え、アジア、アメリカ、ヨーロッパ
の販売会社からそれぞれエリアリーダーとして現地のメンバーをプロジェクトにアサイン
する様に依頼し承認を得た。
_データの分析は手法に差が出ないように、本社に導入しているBIツールを使用して、
本社のメンバーが全顧客のデータを一括して分析する事にした。これに加えてエリアリーダー
から各国や地域の特性情報を報告させ分析の情報に加えた。また、各販売会社の基幹システム
より顧客の住所、輸送経路、運送会社の情報を加えて多角的な分析を行った。
_分析の結果、各国の法律や運送状況、道路状況等様々な理由で、想定している配達日数を
大幅に超えた時間が掛かっている状況が判明した。従来トナー交換は残量が30%になると
交換ランプが点灯し顧客に通知する事になっていたが、実際の配達日数を考慮すると、交換
のタイミングを前倒しする必要がある事が分かった。
_私は最優先対応顧客に対して、日々のビッグデータの解析により残量が50%になった時点
で担当から顧客に対してトナーの交換依頼を出す運用をエリアリーダーを通じて各販売会社に
依頼し、同時に国や地域、所在地等により交換ランプの点灯時期を個別に設定して、顧客毎の
最適な交換時期を提案できる機能を今後開発する機種へ組み込む事を提言し、了承を得た。

設問ウ 大規模データの利活用が一過性のものとなって定着せず廃れていくリスクについて、どのように配慮したか。600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。

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3.大規模データの利活用の定着
_最優先対応顧客に対しての施策を行い評価したところ、新規顧客流出件数が大幅に削減
出来、顧客満足度も高い回答を得る事が出来た。
_多角的な分析が出来る本社のBIツールと、顧客をよく把握している現地販売会社の情報を
組み合わせた事が成功したポイントだったと感じた私は、今後もこの体制を組織として定型
業務として実施していく事が有効だと考え、経営層に新しい組織を設立してもらう様に依頼した。
_本社の事業戦略本部の下にカスタマーサポートサービス部を新たに組織し、各販売会社にも
同じく設立して、トナー残量以外の有効な収集可能データの選定と実行を行い、顧客満足度向上
に繋げる活動をしていく組織である。
_私は、顧客満足度向上は企業活動にとって最重要項目であると考え、本社・販売会社
双方が定期的にビッグデータを利用した改善活動を提案する事を経営層に申請し承認を得た。
具体的には、本社側は製造部門・本社経営層・同業他社の動向・パートナーからの提案など、
様々な関係者の意見を取りまとめて改善を提案する。一方販売会社は、顧客からの声、クレーム、
要望、市場の状況を取りまとめて改善を提案する。これらを月に一度の定例会議で議論し、
経営戦略に沿った形で投資効果の高い案件を決定し実行して行く計画である。
同時に、市場動向に詳しい外部のコンサルタントの意見も取り入れていく方針である。
以上の様に、経営層・本社・販売会社・外部コンサルタントの様々な意見を取り入れ、
検討し、継続的に顧客満足向上に努めて行く計画である。

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