1.システム化計画
システム化構想の立案
システム化構想の立案アクティビティを構成するタスク
経営上のニーズ、課題の確認事業環境、業務環境の調査分析
現行業務、システムの調査分析
情報技術動向の調査分析
対象となる業務の明確化
業務の新全体像の作成
対象の選定と投資目標の策定
システム化計画の立案
システム化計画の立案アクティビティを構成する主なタスク
システム化計画の基本要件の確認対象業務の内容の確認
対象業務のシステム課題の定義
対象システムの分析
適用情報技術の調査
業務モデルの作成
システム化機能の整理とシステム方法の策定
付帯機能、付帯設備に対する基本方針の明確化
サービスレベルと品質に対する基本方針の明確化
プロジェクト目標の設定
実現可能性の検討
全体開発スケジュール
システム選定方法の策定
費用とシステム投資効果の予測
プロジェクト推進体制の策定
経営事業戦略、情報戦らy九およびシステム化構想との検証
投資の意思決定
内部利益率(IRR:Internal Rate of Return)
正味現在価値と投資額が等しくなる時の割引率。内部利益率が資本コスト(借入金に対する支払利息などの資金調達に伴うコスト)より大きくなければ有利な投資と判断する。正味現在価値(NPV:Net Present Value)
今後期待できる収入を一定の割引率で現在価値に換算した合計額から、投資額を差し引いた正味の金額です。回収期間(PBP:Pay Back Period)
投資金額が回収される期間です。投資金額が100万円、1年のキャッシュインが50万であれば回収期間は2年になる。投資利益率(ROI:Return Of Investiment)
投下した資本に対する利益の割合(利益/投資額)です。ROIが大きいほど収益性が良い投資になる2.要件定義
(1) 要件分析
BABOK
Business Analysis Body Of Knowledge はビジネスアナリシスのための知識体系です。BABOKには、引き出しとコラボレーション、戦略アナリシス、要求アナリシスとデザイン定義、など6つの知識エリアと基礎コンピテンシーがあります。6つの知識エリアと基礎コンピテンシーを次に示します。知識エリア
引き出しとコラボレーション
ニーズの創出や要求の引き出しに関するタスク、ステークホルダとコラボレーションやコミュニケーションに関するタスクを扱います。
戦略アナリシス
現状から将来のあるべき姿に至るチェンジに関する戦略を定義します。
要求のアナリシス
ステークホルダのニーズを基に、ソリューションの選択肢を推奨する。
ソリューション評価
実装されたソリューションによって実現されたビジネス価値を最大化する。
要求のライフサイクルマネジメント
ニーズの発掘、ソリューションの開発、ソリューション及びそれを表す要求やデザインが破棄されるまでの、要求のライフサイクルを管理します。
ビジネスアナリシスの計画とモニタリング
ビジネスアナリシスのアプローチ及び活動の定義について記述します。
BABOKで取り扱う要求は次の4つに分類される。
1ビジネス要求
組織としてのビジネス目標、ビジネスニーズです。
2ステークホルダ要求
利用部門などのステークホルダが個別に持つニーズです。
3ソリューション要求
ビジネス要求とステークホルダ要求を実現するために必要となる、業務やシステムについての要求です。
4移行要求
意向を円滑に進めるためにソリューションが満たすべき条件です。
インタビュー
適切に要件を引き出すためには、状況に応じてインタビュー技法を使い分ける事が必要です。インタビュー技法には次の様なものがあります。1構造化インタビュー
事前に作成されたアンケート項目などを基に質問をして、回答を記録していく方法です。
アンケート項目と順序が事前に決められており、インタビューアーの技量に左右されないインタビューを行う事が出来ます。
2非構造化インタビュー
構造化されていない質問によってインタビュアが対話と観察を通じて調査対象者から情報を引き出していく方法です。
3グループインタビュー
特定のグループを対象としてグループの中での対話や調査対象者同士による会話などから情報を引き出していく方法です。
(2)要件定義
共通フレーム2013によれば要件定義プロセスは次のアクティビティが含まれています。・プロセス関係の準備
要件定義作業を組み立てて、必要なプロセスを組み込み、承認ルールの決定などを行います。
・利害関係者の識別
システムに正当な利害関係を持つ個々の利害関係者又は利害関係者の種類を識別します。
・要件の識別
利害関係者の要件を抽出し、制約条件を定義したうえで、予定される運用シナリオ、活動の順序の定義等を行う。
・要件の評価
導出されたすべての要件について、完全性、一貫性、整合性などの観点で分析します。
・要件の同意
要件を利害関係者へフィードバックし、要件が正確に表現されていることを同意します。
・要件の記録
要件を適切に記録し、要件の追跡可能性を維持できるようにします。
3 調達計画・実施
情報システムの調達においては、実際の発注に至るまでに、ベンダー企業と発注企業の間で提案・見積もりに関する文書が交換されます。代表的な文書を次に示します。
RFI Request For Information 情報提供依頼書
調達先の候補となる企業に情報提供を依頼する文書RFP Request For Proposal 提案依頼書
提案依頼先のベンダー等に示す、調達対象システム、調達条件などを記載した文書です。RFQ Request For Quotation 見積依頼書
調達先に価格やその内訳などを記した見積もりを依頼する文書です。発注先に決定したベンダー企業と契約について交渉し、納入されるシステム、費用、納期などについて契約を締結します。代表的な契約形態を次に示します。
定額契約
事前に価格を決定する契約形態です。実際に発生したコストに関係なく支払われる金額は一定となる為、発注側にメリットがあり、受注側にはコスト超過のリスクが生じます。実費償還契約
実際に発生した費用に受注側の利益を加えて価格を決定する契約形態です。発注側は実際に発生したコストの全額を負担するので、発注側はコスト超過のリスクが生じます。Time and Material契約
人的資源の調達などにおいて、事前に短歌を決定して起き、発生した作業量に応じて価格を決定する契約形態です。発注側のコスト超過リスクは、定額契約と実費償還契約の中間になります。グリーン調達
物品の調達に関しては、調達価格だけを考慮するのではなく、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)を考慮し、SRI(Socially Responsible Investment:社会的責任投資)の1つとして環境に配慮した調達をする事が、企業に求められています。グリーン調達は、国、地方自治体、企業等が、製品やサービスなどを調達するときに、環境負荷の小さいものを優先的に選ぶ取り組みです。製品やサービスを供給する側にとっては、グリーン調達に対応できるように環境負荷の小さい製品やサービスの開発が必要になります。
グリーン購入法が施行され、国や地方自治体には物品の調達に際して特定の品目について、環境物品等と呼ばれる環境負荷の小さい物品を購入することが義務付けられました。